メダンからの声 -スマトラ島沖地震救援活動の実態-

最近、CDレビューしてないっすね。すんまそん。
先日の日記の見てる通り、わずかながら募金しましたが、
今日、この記事を見てショック。

【メダンからの声】http://blog.livedoor.jp/memorylab/archives/2005-01.html#20050111


メダンとは今回の地震で最も被害を受けたアチェ市より北にある市です。
そこに住む日本人からの現地レポート。TVでは報道されてないであろう様々な実態が明確に書かれています。かなり文章が長く読むのに疲れるが、それだけの価値のある記事だと思う。

朝、激震を受けたとき、妻は生まれたばかりの赤ん坊を胸に抱いて母乳を与えていた。もし、ベッドの上に寝かしたままだったら、下の固い陶器製のタイルで、赤ん坊の頭は頭蓋骨陥没になっていただろう。あらためて我々に運があることを感じていた。
急いで、TVをつけニュース番組を探した。画面には日本のようにいち早くテロップが流れるなど無く、延々とお笑い番組の馬鹿笑いと、濃い目の化粧をした歌手たちの歌が続いていた。その日は、一日待っても、地震の情報、ましてや津波の警報など無かった。
我々は、地震の規模の割には大した被害もなかったのだろうか、と安心して少し余震が残る部屋で眠りに着いた。しかし、このとき既にアッチェでは津波で10万人近い人々が亡くなっていたのだった。それから2日間、被害を伝える映像は、ここ北スマトラで最大の人口200万都市のメダン市では流れなかった。

インドネシア政府は、1970年代から独立運動地アッチェに対し強硬な対抗手段をとってきた。
アッチェの年間予算の約6倍の予算を使い政府軍を送り込んでいる。この軍隊が津波当日、アッチェで大規模な軍事訓練を行っていたらしい。その為、軍事訓練参加者の多くが死亡している。警察官もバンダアッチェだけで、1500人が死亡している。
想像されることは、政府はこの軍隊の家族の救援に全力を注いだことである。このための報道規制、通信規制、民間への救援規制の可能性がある。その間に、何人の救われた人が死んでいっただろう。これで、あれだけの多くの救援物資がありながら、現地の被災者に届かなかった訳が見えてくる。

おそらく日本のマスコミには流されていないかもしれないが、現地アッチェでは「政府はアッチェを利用して海外から借金をするな!」というプラカードを掲げてデモが行われている。
そう、政府は対立するアッチェの勢力を抑えることが出来ること(住民の5分の1が死亡)、アッチェの経済の立ち直りに5年から10年はかかるがそれをコントロールできる可能性があること、アッチェの被害を理由に多額のお金が手に入る(政府高官の懐が潤う)こと、過去の多額の借金が帳消しになること、政府はお金を一切出さずにいられること、しかもその上に海外から借金をしようということ、濡れ手に粟とはこのことである。政府としては、笑いが止まらないだろう。
救援物資が軍の飛行場で野積みのままであるのは周知の事実。いくら海外が支援の物資を送っても、それをインドネシア政府や軍に渡せば、そのほとんどが彼らの懐に入ると考えるべきである。ましてや、日本政府のように、お金の問題で済ませようとするならば、近隣諸国の高級住宅地に政府高官たちの別宅が半年後に立ち並ぶだろう。

YAHOO!はどういうルートで義援金を送るのでしょうか。少し心配になってきた。お金や物品を送るだけではダメなのだろうか。すこしでも多くの人にこの記事を紹介する事で小さなうねりが大きな波になる事を期待するしかないだろうか。


そして、この記事には最後にこう纏めている。

ただ、海外の軍隊がアッチェに自ら救援物資を運べば、話は別である。
まず、インドネシア政府軍の略奪、レイプが抑制されるからである。彼等は、海外の軍隊が入ってくれば何も出来ない。だから、被災者たちは、海外の救援物資も嬉しいが、それ以上に海外の軍隊の駐留にほっとしている。被災地の安全を確保してくれるからだ。
それにしても、近隣諸国、特にアジアの同胞達の民間支援の早さとと確実性には、驚かされる。町の85%の建物と人命が失われたメラブに、津波発生2日後には、シンガポールの貨物船がやってきて、瓦礫をかたずけるショベルカーなどの土木重機を運び込んで救援活動に入っている。近くの村々からは、被災を免れた人々から手渡しで食料が運ばれ、被災者達の命を救っている。

日本はこういう時こそ自衛隊を派遣すべきだと思った。
米国の起こした戦争の尻拭いをやっている場合ではない。

そして、当のインドネシア政府はというと…
http://www.asahi.com/special/041227/TKY200501120322.html

いやはや、いまや多くの人が苦しんでいるのにあこぎな事をするものですねえ。