Switzerland -1st DAY-

成田空港 -Narita Airport

いよいよ、待ちに待ったスイス旅行。
初の海外旅行でしかも個人でツアーに頼らない無謀ぶり。
果たして成功するのか不安だ。
出発直前になってもまだこれから海外に行くんだという実感が湧かなかった。
朝の6時前、そっと誰にも知られる事なく出発した。
東京まで横須賀線で行き、そこから成田エクスプレスにのる。エクスプレス、高すぎます。障害者割引をもってしても3000円しました。まあ、時間を買ったつもりで購入。エクスプレスの中は赤と黒をベースにした配色でSFチックでした。トンネルの中を駆け抜けるエクスプレスはまさにSFの世界そのものでした。しかし、トンネルを抜け東京の風景が姿を現すと、とたんにインテリアが似合わなくなったのは苦笑w。
空港に着いて、旅行会社から航空券などを受け取ってチェックイン。荷物検査をパスすると両替に向ったが、現金を持ってなかった。一度、行列に並んだが、カードで両替できるだろうと思い込んでいたので、2度も並んでやっと両替…。お金引き出すとき、3万円引き出すつもりが、間違って9万円も引き出してしまう。戻そうにもATMなので戻せなかった(|| ゜Д゜)
おかげで時間を食い、搭乗までのんびり出来ず、急いで、買い忘れていた常備薬やエコノミー症候群対策用のマスクやハンドクリームを購入するなど、慌しい出発となった。

搭乗ゲートには当然といっちゃあ当然だが、外国人が多かった。
とくに綺麗なお姉さんがイッパイでした。
スッチーも外国人だ。金髪美女(*´д`*)ハァハァ
搭乗口に英字新聞が置いてあったが、前に並んでいた外人の姉ちゃんにつられて自分も取ってしまう。ほとんど、読めないくせに…。練習と思ってチャレンジしたが、知らない単語が多く15分でギブアップ。中にはいると外国人スッチーのお出迎えでドキドキした。
妙な新鮮感を覚え、本当に外国行くんだなと実感した。席は惜しくも真ん中だった。
ギリギリで搭乗したので、すぐフライト時間になり、機体は成田を去った。

15時間にわたるフライトの始まりである。

5時間フライト その1 -Narita Airport〜Amsterdam

上空10000メートル
しばらくすると、急激に睡魔に襲われて寝てしまう。センターに座っていると狭いこと以外はほとんど新幹線と変わらない乗り心地だ。目が覚めると、3時間ぐらい経過していた。周りはすでに機内食を食べ終えていて、僕の席には置かれていなかった。驚いてスッチーさん(日本人)をコールし機内食を頼むが、起き抜けて発音悪いせいが上手く通じない。早速、今回の旅行のために持ってきた筆談ノートを活用。昼食を頂きますた。機内食って見た目コンビニ弁当っぽいのに、ウマかったのは以外だった。
しばらくすると、飲み物のサービスが。何か聞かれたのでノートテイクを頼もうとすると意表をついて隣のおじちゃんから助け槍が。お礼をいうと、「ALSかBSL話せる?」とリアクション。なんのこっちゃ?と思ったらASLの事を言い間違えたらしい。なんとおじちゃんアメリカ(イギリス)手話を知っているのだ。(手話は使えなかったけど)
聴けばイギリスの大学で障害学・開発学を勉強しているそう。しかも今、博士課程だとか。それがきっかけで話が弾む。スイスの話とかいろいろする。
また、機内にはパーソナルテレビが取り付けられていて外国のゲームとか出来た。いい暇つぶしになった。寝たり、ゲームしたり、映画見たりしながらしているうちに、時間の流れの感覚が鈍くなったのがあっという間に乗り継ぎ地のアムステルダムの空港に着いた。

おじちゃんに別れを行って、次の搭乗ゲートへ。

15時間フライト その2 -Amsterdam〜Zurich Flughafen

飛行機より望むスイスの片田舎

しかし、待合室には誰もいない。外人の中年夫婦らしきカップルが1組いるだけだ。別に何の疑問も持たず、ただ座っていると、その中年のおじさんがイキナリ話しかけてきた。飛行機の中で読んでいた海外トラブル防止本に載っていたスリの手口と似ていたので始めは警戒した。とりあえず、荷物や財布に注意しつつ「I'm deaf. Write this note, please.」と書いた筆談ノートを見せると、おじさんは一瞬戸惑った表情を見せながらもにこやかな顔で「OK」といい、ノートに"ARE YOU GOING TO ZURICH?"と書いて見せた。Yesと答えると、"D3"と書いた。D3が何のことが分からず、聞くと"GONE TO D3"と書き、やっと意味が分かった。
おじさんは搭乗ゲート先の変更を親切にも教えてくれたのだ。感激してお礼を言うと、D3ゲートへ向う。そこには人だがりがいっぱい出来ていた。
おじさんのおかげで乗り遅れずにすんだ。本当にこの場を借りて感謝します。
乗り継ぎ便はラッキーなことに窓側。
離陸の瞬間やアムステルダムの町並みがこの目で見れますた。アムステルダムの街並みは幾何学模様のように整然としていて人工的な美しさがあった。都市部を離れると辺り一面、畑が地平線の彼方まで延々と続いていた。ここからはもう日本人スッチーは搭乗していなかった。中学・高校の英語を思い出しながら、やりとりしていかなくてはならない。

ついにチューリヒ到着 -Zurich Flughafen

今回利用したのは「KLMオランダ航空」。
水色の機体が印象的な航空会社だ。スッチーの制服ももちろん水色でキュート。機内食(サンドイッチ)のパッケージも凝っていてグラフィックが爽やかでカッコいい。パッケージの色は黄緑でしたが、いいアクセントになっていると思った。1時間半のフライトを経て、チューリヒの街並みがクローズアップしていく。そして、ついにZurich Flughafen*1に到着!

長いフライトだった。今、スイスにその足を踏みしめたのだ。はやる気持ちを抑えてながら、空港内へ。さすが外国だ、日本語がひとつもない。軽いパニック状態にw
「指差し英会話」持って入ってよかった。これがなければきっと"Baggage claim"が荷物引取所だと分からず、永遠に彷徨ってたのかもしれないw

Baggage claimへの連絡線Baggage claimへはシャトルになっていてSFアニメに出てくるようなデザインの電車に乗って辿り着いた。
荷物を受け取ると、ガイドブッグを見ながら電車駅を探す。

はたから見て海外初心者って事が丸わかりだっただろうw

駅の受付でスイス全土の殆どが無料で乗れるスイスパスを有効化することに。
パスポートを見せてくださいと言われたとき、パスポートの発音が想像してたのと大分違っていて戸惑った。
受付のオバさん、筆談に応じてくれなかったのはムカついた。
出発事前に集めた情報でパスポート見せることを知っていたからよかったけど、知らなかったら延々にモメてただろう。
スイスにはどの人も優しかったが、この後でもオバさんだけは例外で不親切だった。
オバさんいらねえよヽ(`Д´)ノウワァァァン

スイスの電車に乗ってみる -Zurich Hauptbahnhof

気を取り直して、電車に乗る。電車でプチカルシャーショック。

その1:
改札口が無い!車内検札で済ますのである。検札サボってたら、タダ乗りできるよな〜。実際、タダ乗りする輩もいるらしくバレたらその場で80SFr(=6400〜7200円ぐらい)の罰金を請求される。
その2:
電車が完全に停止する前にドアが開く。完全停止のちょっと前にドアが開き始め、小さいタラップが降りる。開ききると完全に停止する。なんかそのギミックが妙にカッコよかった。
その3:
ドアは手動で開ける。ドアの横に大きなボタンがあり、それを押すと開く仕組みになっている。なるほど、このシステムだったら駆け込み乗車なんてないだろうなと感心。
スイスパスはファーストクラスのを購入したので、1等席に。1等席のインテリアはすごく綺麗、シートもゆったりしてリラックスできた。ただ、初めて外へ一歩踏み出したので、乗る電車間違えてないがビクビクしながら窓の外を眺めていた。最初の行先案内でしっかり確認してるので、そんな心配は無用だが、初めてというのはなんだが不安になるものである。

そんな心配は杞憂に終わり、電車は無事Zurich Hauptbahnhof*2に到着。
スイスの車窓から

ホテルはどこだ? -Searching Hotel"X-TRA"

しかし、ここからが大変だった。
ホテル探しをしたいのだが場所がわからない!

一応、マップは持っていたもの、アバウトすぎて現地では役に立たなかった。
駅なんだから、周辺地図の看板ぐらいありそうなものだが、それすら無かった(゜Д゜;)
30分付近を彷徨って、インフォーメーションに聞くが、教えてもらったところに行っても見つからず行ったり戻ったりする事30分。

やっと見つけた_| ̄|○

今回の旅行を手配頂いたA○Bさん、あなたの頂いたMAP…
オレの泊まるホテルの位置が微妙に間違っている!
迷子になるかと思った。

駅に着いたら、すぐホテルにチェックインして、日の暮れないうちにチューリヒ観光するつもりが、ホテル探しに費やし1時間のロスト。この1時間は痛い。なにしろ日が暮れるまであと1時間もないのだから。
これには初心者によくあるトラブルと割り切って、1時間で思い切り楽しもうと観光モードに切り替えた。
実はチューリヒにはパスポートと保証金20Shrでタダで自転車を貸してくれるところがある。これを使えば1時間でチューリヒを堪能できる!と思い自転車貸しへ。
黒人の少年たちが見せ番していた。なれない英語のやりとりで(でも分かりやすい英語だった)、なんとか貸し出せるところまでこじつけるとパスポートと20SFrを預けられてしまう。20SFrは保証金だからイイとして、パスポートまで預けられるとは思わなかった。ガイドブックにはそこまで詳細に書いていなかったので…
黒人の少年たちを信用して預け(やっぱ不安だったが)、貸出所を後にし、チューリヒの街へ繰り出す。

ヨーロッパの街を駆け巡る -Zurich

チューリヒ湖
まずはチューリヒ湖へBahnhof Strasse(駅通り)を一直線に向った。通り過ぎるチューリヒの街並みは、テレビや雑誌で見た通りのオシャレな風景だった。ストリートの中央にはトラム(路面電車)が頻繁に走っていた。チューリヒ湖に10分程度で着き、湖の中央を見上げると飛行機雲が縦に長く伸びていた。湖を眺めながらコーラを飲もうと思い、傍にあった屋台で買うと、1本Shr(=320〜360円)だった。「え?」と我が耳を疑った。スイスの物価が高い事はガイドブックなどで知っていたが、いくらなんでもアリエナイと思った。ボッタくりかこの店は。しかし、喉も渇いて飲み物が欲しかったし、まあ日本でも屋台とかになると急に高くなるよなと割り切り、結局購入。
コーラを飲みながらしばらくチューリヒ湖を眺めた。空はオレンジ色に染まりかけていた。携帯の時計を見やると、時刻は20時すぎ…。
スイスの夏は思いのほかに昼が長い。ヨーロッパのどこでもそうらしいが、観光客にはある意味便利だ。一日がたっぷり昼なのだから。
夕暮れニ染まる空
10分ぐらいで見飽き、再び自転車にまたがり、今度は旧市街の方へ目指した。
リマト川沿いに旧市街を走る。ヨーロッパの町並みは美しくて落ち着く。そんな風景を自転車で駆って颯爽と通り抜けるのだからキモチいい。
そういえば、自転車で走っているときに気がついたのだが、どうも自転車は歩道を走ってはいけないらしい。明らかに自転車マークのついた道路があり、それは常に黄色いラインで引かれていた。そこを走ることにする。…が,しばらく走ってると愕然とする。
なんと自転車用道路が車道の中央に向かって繋がっている!
日本の道路になれきったオレは一瞬躊躇する。
しかし、そこは交通量が多い時間帯なのか頻繁に車が通過していた。
普通に60km/hぐらいのスピードで。アリエナーイ!
あまりにも恐ろしかったので、そこは諦めて歩道通りました。
チューリヒの路地
駆け巡っているとスイスは店じまいが思いのほかに早い。17時には閉まることが多い。そんな中で、マクドやスタバを発見。こっちは閉店されておらず、客が賑わっていた。旧市街のメインストリートはバーが多く、もう日も暮れた頃だったので、ここが一番賑わっていた。自転車で通過するのはちと無理があった。
自転車貸出所の閉店時間が迫り、返しに行く事にした。パスポートと20SFrはちゃんと返してもらえたw
早く帰りたがそうな顔している黒人の少年にお礼をいい、駅前のコンビニでチーズバーガーなど晩飯を買う。ここのペットボトルドリンクは3.5SFrだった。やっぱり高いんだ。あの屋台ボッたくりじゃなくてホッとする。(まあ、0.5SFr高かったわけだが、気にしない事にする。)バーガーは6.5SFr…。明日のおやつにと買ったスナックは3.5SFrだった。早くも20SFr使い果たしてしまった…。
空港で間違って引き落とした9万円。ひょとしたらこの額で良かったのかも知れん。
そう思いながら、ホテルへの帰路を歩む。
帰る時Zurich HBで明日の乗り場のホームと出発時間をチェックするのも忘れなかった。
チューリヒ駅外観チューリヒ駅の広場

振り返ってみて… -Review on today

初日の滑り出しはまずまずよかったかな。
心配していた言葉の壁もそんなに高くないと感じた。むこうも簡単な英語を使ってくれるのが嬉しかった。明日はルツェルン、そして旅の目玉のひとつである、パノラマ特急「ゴールデンパス」に乗る。シャワーを浴びて早めに床についた。

*1:"Flughafen"はドイツ語で『空港』という意味

*2:ドイツ語で"haupt"は『中央』、"bahnhof"は『鉄道駅』の意。