モーターサイクル・ダイアリーズ


この映画はキューバ革命で活躍し、ボリビアで若くして散った若き革命家チェ・ゲバラの半生を描いた物語である。冒頭で「これは偉業の物語ではない。」と述べているとおり、政治的な内容でもないし、革命の記録を綴ったヒストリー・ムービーでもなく、チェ・ゲバラが23歳の時に南米大陸を友人とともにバイク一台で駆け回るロードムービーである。あまり政治的に描きすぎずシンプルな青春映画にしたてていて見やすい。役者の演技も素晴らしく、感情移入しやすい。

何不自由のない若者だったチェ・ゲバラはこの旅をきっかけに革命家に変容するが、この映画ではそこまで詳細に描かれない。重要なのは若いときに旅をして、いろんな者を見聞きして成長していくという映画から発せられるメッセージで、将来に未だ不安のある僕がこれからどう進むべきが考えさせてくれる。久しぶりにイイ映画を見た。この作品は間違いなく僕の見た映画の中で5本の指に入る傑作。

今、これ書いている僕は映画の中のチェ・ゲバラと同じ23歳。
それだけにこの映画が非常に共感できる。

そろそろ旅を始めるときなのだろうか。
去年のスイス、今年のイタリアのような短い観光旅行ではなく、もっと長い旅へ。

追記

後で、この映画を見た日がチェ・ゲバラの誕生日である事を知った。偶然とはいえ驚きだ。