Switzerland -4th DAY-

起床 -Wake up

朝、目覚めると、時計は5時半を指していた。
しまった。また風呂にも入らず寝てしまった。シャワーを浴びレストランで朝食をすませる。部屋に戻るとき、最後だからとホテルの内部を撮った。改めて見ると割とオシャレなところをセレクトしていたんだなあ。

フィルスト山行きのゴンドラ開始時刻に合わせ、早々と出発。昨日の経験からパイクを買おうと思ったのけれど、フィルストは往復で1時間。チェックアウトは11:00なので、2時間しか時間はない。しかもお土産をまだ買っていなかったので、フィルストは展望だけに済ませることにしようと思った。

子供の頃に見た光景、フィルスト -First

天気は雨が降りそうなほど曇り空。ちょっと心配だったけど、とりあえずフィルストに向おう。
ゴンドラ乗り場についた頃、ちょうど運行が始まっていた。
一番乗り〜♪

ロープウェイから見たグリンデルワルトの眺めがイイ。登るたびに家の数が少なくなっていき、牛の群れが姿をあらわすようになっていった。この光景にどこかでデジャヴを感じた。どこかで見たなと思ったら、アニメの「アルプスの少女ハイジ」だった。風景や細い道とか家の造りとかまるでアニメの風景そのもの。ハイジの舞台はチューリヒから東へ2時間離れた「マイエンフェルト」という村だけど、ここでもアニメに近い風景があった。
ぽつんと残されてる小屋を見ながら、そこからハイジやピーターが出てきそうな錯覚を覚えながら、ゴンドラに揺られて登って行った。

終点にはお花が綺麗に咲いていました。
すぐそばに展望台付きのカフェが繋がっていて、高齢のカップルがくつろいでいた。一番乗りと思ったのに、先客がいたか…。

ここから眺める風景は圧巻の一言。他の地域では三山の麓にあるため見えるのは三山ぐらいだけど、ここは三山から離れたところにあるので、三山を含むスイスアルプスの山々が連なって見える。その姿は壮大の一言でユングフラウとはまた違った趣がある。カメラに収めてみようとしたが、大パノラマを前にして上手くフレームに入りきる事は適わなかった。左の大写真が限界だった。これが横にず〜〜〜〜っと壮大な山脈が彼方まで続くのだから、もう絶景というほかない。


眺めるだけのつもりだったけど、この大パノラマを前にして、やっぱり、じっとしていられなかった。ハイキングマップによると、ここから往復2時間で行けるコースが1本あるのみ。僕には時間がないので、行けるところまで登ろうと思った。歩きながら沢山の風景を収める。

歩き続けて、そろそろこのへんで引き返すかときびすを返したその時、カウベルを着けた牛の群れに出会う!牛たちはそこらじゅうに生えている草をのんびりと食べていた。草を食べるたびに首に巻いているカウベルの鐘が音を鳴らす。時々、こちらをくるりと向いてくるのは愛嬌があってカワイイ。今まで電車の車窓からでちらりと見えることはあったが、こんなに近くまで見れるのは初めてで感激に満ち溢れた。

チェックアウト -Check out, hotel"Eiger"

牛さんに別れを告げた後、急ぎ足でフィルストを下り、グリンデルワルトへ戻る。フィルストを登ってみて感じたが、初心者向けコースにもかかわらず坂はきつい所もあり、やっぱり膝の後遺症患っている以上、パイクは必要かなと思い、帰り道で購入。スイスにとって8月はシーズンオフ感が強いのか、半額で売られていた。ラッキー。ついでに失くしたノートテイキング用のペンも購入。スイスの国旗の入ったスケルトンレッドのクールなデザインのペンだ。4SFrもしたから大事に扱おう。スイスの国旗が施されたプロダクツって全体的にカッコいいデザインが多い。やっぱあの国旗はデザイン的にもセンスが高いんだなと実感。ちょっと羨ましかった。

いろんな人たちのお土産に、スーパーで現地のお菓子やギフトを買い漁る。スーパーで売ってたジュースが1.5SFrで売られていてショックだった。今まで、キオスクや自販機で4SFrも払って買ってたオレって一体…_| ̄|○
誕生日過ぎたというのに、まだプレゼントを買ってやっていなかったおかんのお土産にはそれもも兼ねて高価な鳩時計を購入する。鳩時計はスイスの伝統工芸品。いいお土産になったと思う。

そしてホテルに戻って、荷物詰めてたあと、チェックアウト。
このホテルは質が良く、僕的には気持ち良く眠れたし満足だった。また来る事があらばまた利用したいと思う。駅につくと大きい荷物はライゼゲペックでチューリヒまで送った。ここでちょっとした誤算があったのだが、チューリヒに着くまでそれに気づかなかった。
荷物引取所は午後8時で閉まることを…。

メンリッヒェンへ -Mannlichen

隣駅のGrundで降りて、ゴンドラにのる。
行き先はメンリッヒェン。ベルナー・オーバーラントのちょうど中央にそびえ立っている山で、高度は2500mとそれほど高くはない。それ故か、周辺はけっこうお花畑が多い。キモチいいピクニックになるなあと思ったから、残念な事に雨が降った。出口にはフィルスト山で見たのと比べ物にならないほどの沢山の牛さんがいた。カウベルが連打するように谺する。

山頂までハイキング -Mannlichen Graud

ここからクライネ・シャイデックに下ろうかと標識を見たらクライネ・シャイデックとは反対方向に「メンリッヒェン山頂」と書かれていた。ちょっと待って。ここ、山頂じゃないの?とがっくりした。山頂までは往復40分のルート。岩場がメインの中級向けだったが、せっかくパイクを買ったからには登ってみることにした。雨で悪路になっていることもあり、大分登りはしんどかった。山頂手前で大きい一枚岩がそこら中に転がっていてちょっと滑りそうだった。

山頂からは全方向にベルナー・オーバラントを見渡せた。
インターラーケン方向に目をやると、霧で若干、視界は悪かったけれど、トゥーン湖がちらりと見えた。逆方向のユングフラウというと、アイガーは見えたがユングフラウは手前の山に遮られて見えなかった。山頂にいるのは僕だけ。いやあキモチイイね☆。こんな素晴らしい自然を独り占めできるなんて素晴らしい。って同じ事を何回も言ってしまっているのでそろそろここらへんでやめようw

崖のそばだったけど、座れそうな平らな岩がありそこにこしがけた。マターリと眺めたり…足を崖の外に突き出しながら、その模様を撮ったり…。
そのあと降りようと思って立ち上がり、振り返ったら、外人の女の子二人組みが立っていてビックリした。僕がケイタイで写真撮っているのを物珍しいそうに眺めていたようだ。"Hi"と挨拶された。戸惑い気味に"Hi"と返すと、席を譲って山を降りた。今思い返すと、ちょっと後悔。彼女たちカワいかったような気がするぞ。誰もいない山頂というせっかくのシチュエーションだったのだから仲良くしろよと、オレ、後悔_| ̄|○...
ここんとこ日本じゃ味わえない自然の素晴らしさに魅せられ続けてきたので、どうやら『自然>女』の図式が出来上がってしまったみたい。

パイクを駆使して、猛スピードでゴンドラ出入り口の近くまで駆け降りると、そこの近くのレストランで少し遅めの昼食をとった。この山の牛からつくられたマウンテンプレートを頂く。ベーコン、ハム、チーズ、牛肉を使った料理のオンパレードだ。最高に絶妙な味でスパイスが効いていた。これ食っていると幸せな気分になれる。ふと、窓から牛さん達がのんびりと草を食べているのが見えた。注文した時は気にも留めなかったが、あんな可愛らしい牛でも最後には人間たちの食料なんだよな。キリスト教の「我々は罪深き者よ。」という言葉があるが、まさにその通りなんだなと実感。もし牛さんたちが料理されているのを見たら、きっと可愛そうと思うだろう。けれど、出来た料理を今、「美味しい!幸せ!」って感じてるのもまた同じオレだ。矛盾してるね。しかし、こんなに美味しいモノを与えた牧場の牛たちに感謝して、じっくり、味をかみしめた。

クライネシャイデックまで歩く -Walk down to Klaine Scheidegg

レストランを後にして、近くの展望台から周辺を眺めた。ラウター・ブルンネンのU字谷が面白い。あんな深い谷の下に村が出来ているんだからなあ。また、ミューレンという村はそれとは反対に崖の上に位置しているのも対比があって面白い。
クライネシャイデックまでは2時間かけて下るルート。
道は老若男女誰でも歩きやすいように整備されていて、正直パイクいらずだった。三山の手前にある山を中心に、円周の9時方向から12時方向へ中腹を沿うように歩くので、歩くたびにグリンデルワルト→アイガー→メンヒ→ユングフラウと見える景色が変わる。それゆえ、多くのハイカーがひっきりなしに歩いてきた。

↑「風の谷」って言葉がしっくりきませんか。

悠久の風 -Eternal land


ウェンゲンアルプ -Wake down to Wengenalp

ようやくゴールに到着。
このまま列車に乗ってベルナーオーバーラントをあとにするか迷っていたが、昨日このルートに乗ったとき、ユングフラウの壮大なパノラマが素晴らしかったので、隣駅ウェンゲンアルプまで歩いた。

一歩一歩歩くたびにこの素晴らしい自然の地を離れる時間が迫ってくるのを感じた。
なんともいえない寂寥感を感じながら山を下る。

さよなら、山と湖と彩る花と青い空 -Good bye, Berner Oberland


ウェンゲンアルプ駅で電車が来るのを待つ事30分。
やっときた電車に乗って、三度見るウェンゲン、ラウターブルンネンを眺めながら一気にインターラーケンまで下った。
この時19時過ぎており、結局トゥーン湖のクルージングは出来なかった。
せっかくだからベルンを一目見ておこうと思い、ベルン経由でチューリヒに戻るルートの列車に乗る。

首都ベルン -Bern


約1時間でベルンに到達。
スイスの首都であるベルンは世界遺産に指定されている。
旧市街の街並みは1000年以上変わらず中世の姿のまま残っているのが認定理由だそうだ。日本でいったら京都に位置するところであろう。
ただ、何から何まで変わっていないという訳ではなくて、やっぱネオンサインは取り付けられているし、現代のテクノロジーとも言えるトラムも走っている。それでいて中世の雰囲気が損なわれないのは、さすが景観を大事にするヨーロッパ人と言うか、古きものも新しきものも上手く調和をとるのが上手いなと思った。
右の写真はメインストリートより。やっぱスイスの国旗ってプロダクトとして見てもカッコええ〜♪

メインストリートの裏に繋がる路地。
こういうさりげない所に素晴らしい光景が転がっているのもヨーロッパの街ならの話なんだなあ。計算されたアーバンデザイン。帰国後、友達に見せたら「これ、なんかイイ!魔女の宅急便みたい!」と好評でした。
しばらく歩いてると紳士のお爺様がチーズフォンデュをご馳走しているのが見えた。いい香り。そういえば、せっかくスイスに来たのに本場のチーズフォンデュ食べてなかったよ_| ̄|○
足が90度切り替わろうとした時、帰りの列車の時間があまりないことを思い出して素通り。いいよ、いいよ。また来るから。その時は食べてやるから(TдT)

アーレ川 -Aare

メインストリートを渡り終えるとアーレ川にかかる橋が見えた。

ベルンは観光するには遅すぎる時間帯だったので旧市街の街並みと川を眺めるぐらいしか出来なかった。わずか1時間の滞在だったけど、イイ街だなあって思った。
橋のバス停の近くで川を眺めながらバスを待つ。やがてバスが来るとベルン駅へ一直線に引き返した。

そして、チューリヒへ -Come back to Zurich

チューリヒに向う列車に乗り込む頃には日は暮れかけていた。
天気の悪かった空は晴れ上がっていて夕日が望めた。列車に揺られながら夕日が沈むのを眺める。落ちていく夕日が旅の終わりを象徴しているようで、もうこの素晴らしい時間は終わったんだなと実感した。



うたた寝を打っていると、いつの間にかにチューリヒに到着。
コンコースではなんかイベントブースらしきものを施工していた。傍にあった看板によるとどうやらアテネオリンピックのためのブースだそうで…。
施工作業に勤しんでいる作業員を尻目に、グリンデルワルトから送った荷物を引き取ろうと荷物引取所に向かったら閉まってた。そうだった、これ20時に閉まるんだったのを忘れてた。その場でがっくりうなだれる。
今日泊まるホテルのバウチャーも入れてあるんだよ…_| ̄|○
ホテルは初日に泊まったところと同じ。ダメもとで向かったら、可愛い顔文字書いてくれた兄ちゃんが受付やってた。向こうはオレの顔忘れたようだ。とりあえず、事情説明したら理解してもらえて、部屋の鍵渡された。
部屋に入ると。今日は目一杯歩いた分、どっと疲れが押し寄せてきた。
シャワーを浴びて、横になると瞬間的に眠りについた。