#002 ENIGMA / MCMXC A.D.


CDレビューをこのようなカタチで紹介するのも3回目。そろそろこ慣れてきた感がします。始めた時、いままでゆっくり回っていたカウンターがこれまでにない速いテンポで回るようになって、いろんな人がいろんな音楽を求めているのだなあと実感できます。今回紹介するのはエニグマの1st。「MCMXC.A.D.」という由来が知りたくなるような謎なタイトルですね。このアルバムも知る人ぞ知る、有名な一枚ですが、語れずにはいられません。それではいきましょう。





静かな幕開け。どこからか囁く声がこれからの大いなる始まりを告げる。

M2.Principles Of Lust
  a.Sadness
  b.Find Love
  c.Sadeness (Reprise)


今作のハイライト。
聴き始めた瞬間でエニグマの世界観が感じとれる一曲。3曲でひとつの物語のような流れを作っています。
天使のような歌声。官能的で退廃的な音の調べ。暗闇の荒野の中でひとりぽんと残されたような恐怖感も感じさせてくれます。エニグマの構築した世界観のベースになっているのはグレゴリオ聖歌というものらしいです。


エニグマの印象を決定づけるサッドネス3部曲が終わると場面転換。
また違うどこかへ連れていかれます。深く抜け出せないような闇の底に…


タイトルはノッキン・オン・ザ・ヘヴンスドアーからのパクリ?w
グレゴリオ聖歌と人工的な電子音が組み合わさったような曲。対極的と思われがちな2つが上手にミックスされているとう〜んと唸りたくなります。

M7.Back To The Rivers Of Belief
  a. Way To Eternity
  b. Hallelujah
  c.The Rivers Of Belief


ラストはまた3部曲。
どこはかとなく荘厳で宗教的な香りが。もともと宗教音楽をベースにしているだけにその香りは全体的に強いです。








このアルバムの印象は全体的に宗教的・官能的の一言につきます。あまり宗教には関心がないですが、やはりかがり的なものを感じます。そして、これまで聴いたなかでもジャンルの特定が困難なテクノです。むしろジャンルというものでこの曲の評価を位置づけようとするのがバカらしいぐらい。僕がジャンルについて否定派になっているのは、この一枚があるからこそ。楽曲の良さはジャンルをも越える。



ジャンル:

DOWNTEMPO

キーワード:

退廃的、官能的、宗教音楽、グレゴリオ聖歌

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CD情報

国内版はボーナストラックが3曲付。